「コンスタンティン」 仕事③歯車の話

このセットの肝の部分でもある歯車の話をしたいと思います。じつはこれには隠された秘密があるのです。
その前にまずこれがどのような経緯でできていったかを話したいと思います。
まずこの歯車はデイヴのお気に入りの部分でもあったので、二人でかなり念入りに打合せしていきました。
これが最初の歯車のイメージ画です。
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見ての通り、かなり歯形の部分が大きく、そして分厚いことが分かります。
これをデイヴに送ったところ「この歯車越しのショットがあるから、もっと全体的に空洞にして、薄くしてくれ」との返事と写真が添付されていました。

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おそらくロケハンか何かの写真だと思います。
これではあまりにも薄いし細すぎだと思いましたが、
これをもとにデイヴの要望通りにした通りに修正し、また送ってという感じで仕事は進められていきました。

このような工程でデザインは進められて現在の形に落ち着いて、、
これが大道具さんのところにいって、3Dレーザーカッターによって歯車の模型として完成します。
わからない人のために説明しておくと、3Dレーザーカッターとは木材を3Dデータをもとに精巧な模型を作成する機械です。
しかし1つ問題が発生しました。完成したセットの写真をよくみてもらうとわかりますが、内側のカーブが綺麗な曲線になっていないのです。
前の投稿でも言った通り、このイメージ画はスケッチアップで描いていますが、スケッチアップの弱点として直線しか描けないことがあります。
カーブが描けないのです。なのでカーブを描く場合、細かな直線を繋げてカーブに見せるということができますが、どうしても細部はカクカクになってしまいます。
そう隠された秘密とはこのセットの中心でもある歯車が実は内側が綺麗な直線になっておらずカクカクになっているということでした。
確かにデータ自体がカクカクなんで、3Dレーザーカッターによってカクカクのまま、精巧な歯車が作成されてしまいました。ハリウッドのデジタル化は想像以上に進んでいました。大道具さんもいってくれればいいのに。
この完成したセットの写真をみた時は正直やってしまったと思い、
まずデイヴにこのことを相談したところ笑いながら「誰もそんなこと気にしないよ」という何とも暖簾に腕押しのような返事が返ってきました。
「本当に大丈夫?」と最初は疑いましたが、そこはアメリカらしさというか、文化の違いなのか、確かにだれもそんなに気にしているようにはみえませんでした。

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よーくみてもらうとわかりますが、歯車の内側の車輪の部分が綺麗なカーブになっていないことがわかります。
仕事的には失敗ですが、まあこれも今では懐かしいアメリカでの経験の1つです。