お金(ギャラ)の話

先日Kimに会った時に、「もしT-mobileの撮影で手伝ってもらうとしたら、ギャラはいくらくらいなの?」と聞かれました。僕はまだ自分のrateを持っていなかったので、決めていないとだけ伝えました。その後、旧友のDavidに会った時にrateの相談をすることにしました。

Stack of Moneyまず前提として、ハリウッドでは、自分のギャラは自分で決めるのが基本です。何か仕事をオファーしたい人は、まず相手の能力を聞きます。何ができるか、どれくらいの速さでできるか。そして最後にギャラを聞きます。1日いくらで仕事してくれるのか。この、“1日いくらか”というのがギャラの基本単位。プロジェクト単位ではなく、あくまでも1日単位です。デザイナーだけではなく、ありとあらゆるスタッフが、1日あたりのギャラが先にあり、「今回の仕事は何日間拘束だから、ギャラはいくらだね」と決まります。

日本では作品単位でギャラを決めていましたが、こちらでは1日単位です。

ハリウッドのクリエイター達は、ギャラと参加日数が決まれば、それ以外の日は電話も取りません。最初に仕事を受ける時に、“この日から、この日まで参加。土日は含みません”と約束したら、その日数を超えて対応をすることはないし、週末は決して仕事をしません。もし最初に約束していた日数を超えて、さらに週末にも作業をお願いすることになれば、確実にギャラのアップを伴います。

日本での美術人件費が例えば1日35,000円として、自分も、助手のスタッフ分も請求していました。しかし助手は毎日会社にいるし、さらに並行して同時に何本も仕事をこなしていたし、自分も助手もみんな月給制だったため、ギャラはあくまでも目安でしかなかったのです。

これらを踏まえて、日本での人件費を参考に1日350ドルを僕のrateにするのはどうだろうか?とDavidに相談しました。そこで彼から聞かれたのは、「T-mobileの撮影はきちんとしたプロダクションのついたCMなのか?そして、そこでの役割は何か。」ということ。プロダクションについてはYes。僕の役割についてはKimと詳細まで詰めていませんでしたが、デザイン画や図面を描く作業は全面的に任されるだろうと答えました。もちろん、実際に撮影現場でどこまでの作業を要求されるのかは未確定でしたが。

Davidの答は、「それなら350ドルをギャラとして要求してみるのはアリだと思う」でした。下っ端のアシスタントであれば250ドルくらいから始めてもいいけれど、キャリアを考えれば400~500ドルくらい要求しても良いくらいだ。でも最初だから、まずは350ドルで設定してみるのは妥当だろうというアドバイスでした。

なるほど。確かに、日本での自分の経験も考えればもっと請求しても良いくらいの自信はある。まずは胸を張って、350ドルでお願いしてみよう、と決心しました。

しかし以前も書いた通り、T-mobileの仕事は流れてしまったためにギャラを請求する機会は次のタイミングまでお預けになってしまったのですが。次のタイミングで、実際のギャラがいくらに落ち着いたかは、また後程お知らせします。