巨大鉄3Dプリンタとエンターテイメント業界の力

この日は、旧友のDavidと一緒に、彼がかつて働いていたWET Designというバレーにある会社に遊びに行きました。「Tomoがこっちで活動するからには、ここまでの技術があるんだということを知っておいた方がいいから」と、僕のためにわざわざアレンジしてくれたのです。

そのWETで一番最初に挨拶したのが、Jimで、ブレードランナーのアートディレクター人です。彼はあまりにオタクすぎて、映画業界では飽き足らず、炎や水や、そんなエフェクトばかりを追求し、おじいさんになった今でも、このWETでスーパーバイザー的な存在として携わり、小さな犬をいつも連れて歩いていました。

WETは、ラスベガスのベラッジオの噴水を作ったことで有名ですが、もう一つ、火山のアトラクションもWETが作っているし、世界中のホテルやテーマパークでWETの作る噴水や炎やらの巨大なマシンが稼働しています。今は、ドバイやらマカオやらで、とにかくバブリーなビルばかり建てまくっている会社です。たくさんのオリンピックの会場や、聖火塔とかも作っています。なるほど、ここのパワーを味方につければ、この世で作れないものはないな、と思いました。

IMG_1910圧縮空気とか水とかガスとか炎とか、とにかくヘビーなものばかり扱うので、鉄の加工技術が半端なかったです。パイプを作る機械、曲げる機会、削る機械、その他無数に機会が並んでいて、とにかく作れないものはないといった感じです。Jimが丁寧にひとつひとつの機械を紹介してくれてましたが、詳しくはあまり聞いてませんでした。一番ぶったまげたのは、巨大な鉄用の3Dプリンタです。大きさは10畳くらいの広さで、中に人が入って歩けるくらいの空間に、ロボットアームが何本か伸びていて、そこで、あれやこれや溶接したり、切削したりしてどんな形でも、鉄で、3Dデータどおりに作れるという機械でした。

ずらりと並ぶ3Dプリンタたち。1台くれないかな、、、

IMG_1909デザインルームには、いろんな種類の3Dプリンタが10台くらい並んでいて、僕もショールームに見に行ったことのある、1000万円以上する機械たちが、いつでも使っていい状態でそこに置かれていました。これもかなり胸がときめきました。詳しく話を聞きましたが、「STLでもDXFでも、何でもファイルをくれれば、すぐに作るよ」と言ってくれました。心強い!!

あと、超未来的だったのが、ボタン一つで、透明のガラスがまっ黒に変化する部屋。この部屋は四方ガラス張りなのですが、ボタンを押すとガラスの色がまっ黒になって、中が見えなくなります。レーザーか何かの実験をする部屋らしく、中に置かれているテーブルやイス、そのほかの台なんかは、じつはちょっとだけ床から浮いているらしいです。人が歩いたりした振動が、テーブルに伝わるのを防ぐためだそうです。ドラえもんの足が地面から少し浮いてるんだよ、といった話が、実際に起こっているのでした。

面白いと思ったのは、こういった技術が、宇宙船とか、車とか、そういった制作のために使われているのではなく、エンターテイメント業界のためだけに使われているということです。政府的なことだったり、軍事的なことだったり、また、車のような商品を量産するためではなく、かっこいいもの、見た目に面白いものを作るためにこんなにヘビーな素材と重機を使うことだできるという点です。映像のセットなんて、どうせ1日で壊してしまうので、見た目だけ安い素材でごまかして作ればいいじゃん、と思いがちですが、そうではなくて、この人たちはもっと本気で物を作っているなと感じました。

ここまでのものを、自分が必要とするのかはわかりませんが、本当にこういった技術を必要とするような企画に出会えて、その時にはWETに頼めばそれができる、ということを知っただけでも大きな経験でした。

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