学生絵映画のパネルの作り方と、Stevenとの出会い

この日は、先日Mandy.comから発してAFIに打ち合わせに来た時に、ほかに会った人に誘われて、ひとつの学生映画のセットの制作を手伝いに、またAFIに来ました。これは、4月10日の日記にも書いた案件で、たった一人でデザイナーがせっせとパネルを作っていた日です。

デザイナーの名前はFelipe。まだまだ若くて、パネルの作り方とかも、もちろん学生が作っているな、といった感じ。でも、日本と違う材料を使っていたので、こっちでの規格にかんして、いろいろと聞くことができました。学生の言っていることなので、実際のプロの現場とは違うのだろうな、と話半分に聞いていました。具体的な内容は、

ベニヤの規格サイズは4ft x 8ftだということ。これは、後々プロの現場にお邪魔したり、実際に大きな大道具会社にセットを発注した時に間違いであることがわかります。塗装面に使う面にも、ラワンベニヤを使っていたので、シナベニヤは使わないの?と聞くと、使わないと言っていましたが、これも間違いで、大道具さんによっては、シナベニヤ、MDFも多く使われていました。要は、学生がお金がないからラワン一択になっているということです。

このベニヤの厚みが基本は1/4インチ。おおよそ日本の二分ベニヤと同じですね。これの骨に使う角材が、3/4インチ x 2 1/2インチ。垂木や小割違い、角の部分は細かい細工が必要です。これは慣れるまで時間がかかるな、と思いました。この角材も、学生が選んでくるので、とにかく安さ重視で、角材としては最悪。節もあるし、そもそもがそりまくってるしで、作ったパネルも、なんだかなー、といった感じです。しかも採寸が雑で、この溝とか、どうするの?1インチくらい空いてるよ!というところも「後でパテで埋めるから大丈夫」って、現場でそんなに時間あるの?っていう感じでした。

でも僕も学生の時にセット建ててたらそんな感じだったし、みんなこうやって勉強していくんだな、というのを再確認した感じです。もう二度とこうして手伝うことはないだろうな、とも思いました。

ひとつの収穫として、この時、ぼくが来る直前まで、数時間だけFelipeを手伝っていたのが、Stevenです。この日Stevenとは入れ違いだったので、10分くらいしか話すことはなかったのですが、そこで、「あ、この人はいろいろ知っている人だな」という印象を受けました。結果、後々連絡することになり、今でも僕の現場にはいつも来てくれる存在になっています。Stevenは、自分をストーリーボードアーチストだと言ってて、でも最近はアートディレクションもやりたくて、AFIの作品を時々手伝っているということでした。なるほど、確かに後で彼のサイトをチェックしてみると、CMとかのストーリーボードを描くのが本職だったみたいです。少し話した感じで、業界の雰囲気を何となく知っている人だな、と思った僕の嗅覚は間違っていなかったと思います。

もう一点、収穫だったのは、この日にFelipeと、ネットワーク作りって大事だよね、という話をしていたら、彼が、自分が手に入れた名刺を見せびらかしてくれました。「ここはこういう小道具を持っていて、こういう作業が必要な時は、ここに発注するんだよ、お金があればね」と、いろいろと説明してくれたのでためになりました。実はこの時、僕は先に引き受けたAFIの別の学生映画で鳥の剥製が必要になるかもしれないことを、脚本を読んだ時点で知っていました。そして、Felipeに見せてもらった名刺の中に、剥製専門の小道具やさんがあったので、それに反応していたのです。すかさず名刺を写真に撮らせてもらいました。結果、いくつかの剥製やさんを巡りましたが、最終的にはここで教えてもらった剥製屋さんにレンタルをお願いしました。人とのつながりは大事で、それ以上に、常にアンテナをはっておくことの大事さを実感した時でした。