AFIに関して

AFI (American Film Institute)は、コリアタウンの北の端にある有名なFilm Schoolで、USCやUCLAと並んで、数多くの有名な卒業生を生み出した学校です。機材もそろっていて、教授も立派で、映画製作を学ぶにはとても優れた環境だといえます。僕も学生時代に、ここの学生ではないにもかかわらず、よくここの学生映画を手伝って、自分の学校よりも環境の良いスタジオと機材で撮影していたものです。

今回は、僕のAFIに対する率直な印象をつづっていきたいと思います。

全体的なイメージとしては、とてもイメージが悪いです。まず、自分たちの映画を制作するためには、どんな犠牲も惜しまない。ロケーションに迷惑をかける、外部から手伝いに来てくれたクルーをないがしろにする、もちろんお金を払う気はさらさらない、小道具はお店で買って、撮影後に返却するのが当たり前、ともすれば、工具や資材だって、返品する。これは、どの学生映画にもあてはまることですが、AFIはとてもその印象が強いように思います。クルーにお金を払わない、機材や小道具にもお金を払わないのが当たり前になっている。

こういった精神を、AFIで教える先生方も助長しているところがとても残念です。

僕が今回、2日だけセットの制作を手伝いに行った学生映画で、こういうシーンがありました。学生のデザイナーが、ひとりで工房でパネルを切って、せっせとセットを作っていたので、僕はかわいそうに思って手伝ってあげていました。彼よりも僕のほうが木工の知識もあっただろうし。いろいろ話を聞いていると、彼は一人でラジオ局のセットを作っていたのです。収録室、調整の部屋、そしてそれらをつなぐ廊下、別の部屋に続く廊下など。広さにすると10メートル四方くらいの広さです。さらに話を聞くと、材料費にかけられる予算が15万円までと決まっていて、それ以上は自腹を切るしかないのだそうです。僕が手伝っていた時に、先生が通り過ぎて、「順調かい?」みたいな言葉をそのデザイナーにかけていました。「めちゃきついですよ」という生徒に対して「頑張れよ」と先生は声をかけて去っていきました。詳しく話を聞くと、AFIの学生映画では、お金があったとしても、外部のデザイナー以外の手伝いに対しては、ギャラを払ってはいけないルールもあるそうです。僕らがセットを立てていると、そこにプロデューサー、監督、カメラマン(どれも学生)がやってきて、まだセットができていないじゃないか!と文句を言っていました。彼は予算がないせいで、制作に余計に時間がかかるような材料を選び、ペンキを選び、結局最終的には撮影に制作が間に合っていなかったのです。

ここで僕が間違っているなと思ったのは、すべてです。まず、予算をオーバーしている企画にNoを言えないデザイナーの彼も、プロデューサーも間違っているし、そもそもそこでアドバイスをするべき先生が何もしていなかったのが間違っている。物を作るには人が必要だということを教えていないこと、人を雇うにはお金がかかるということを教えていないこと、それを、そこにいる皆が知ってて知らないふりをしていることが間違っている。結局はそのかわいそうなデザイナーが被害者になっている。こんな醜いコミュニティはないよ!と叫びたくなりました。

僕は学生映画ではない撮影現場でAFIの名前を出すと、「なんであんなひどい学校の学生映画を手伝ったの!?」という声ばかり聴きます。みな、一度はAFIの撮影を手伝って、ひどい経験をしている、というのが僕の統計です。

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