Resident Evil Teaserのお仕事のお話

前回の「モーションキャプチャは、僕の知らない方向に進んでいた!」の続きです。

スタジオを一通り見学させてもらったあとは、会議室みたいなところに招かれて、新規案件のご相談を受けました。このJust Cause Productionsでディレクターを務めているケン君は、僕が12年前にLAに留学していた時からの中で、ついこの半年前くらいに、日本での同窓会みたいなので再開してもいたのです。その時に、僕が近々LAに行くことも伝えてあったので、連絡が来た、という流れでした。

で、そこで始まった話が、近々、Just Causeで撮影をおこなおうとしている案件の話でした。Just Causeはモーションキャプチャの会社なので、あまり撮影を行う機会はないらしく、しかも美術をいれての撮影は初めてだったそうです。いいタイミングで僕がLAに来たんだな、と思いました。

バイオハザードのティーザー映像の撮影

3b6e593ac9132f5f737b4523be843f68「で、これはまだ機密事項なので、何の案件かは、誓約書にサインしてもらうまで話せないんだけど、、、」と、サンプルの映像を見せられたあのですが、、、。もう、案件がResident Evilだってバレバレの状態で、どうやって気づいていないように振る舞おうか、必死でした。だって、Just Causeがずっとバイオやってるのは知っているし、会議室の部屋中にこれまでやってきたバイオのポスター貼ってるし、見せられたサンプル映像にもゾンビ出てきてるし!!サンプル映像では、ラストのクライアントロゴを、機密事項なので「クライアント様、ロゴ」って出てきたのですが、100%カプコンじゃん!まったく隠せてないよ!って心の中で激しく突っ込んでいました。

結果そのあとリリースにサインして、詳しい話をすることになりました。

この時の段階では、ロケーションに多少の装飾を加えるというもの。僕はAFIの撮影も終えていたし、ある程度のプロップ屋さんも知っていたので、問題ないだろうということで、仕事をお受けすることにしました。

LAに来た日本クライアントに、日本人デザイナーを雇う意味があるのか

正直なところ、LAに来て日本の案件をするつもりは、あまりなかったです。率直に「クライアントは、わざわざ東京からLAに、撮影に来るわけですよね。それはつまり、東京ではできない、海外っぽさが欲しいからですよね。わざわざLAまで来て、日本人のクルーがそれ作ってて、いいんですか?」と聞いてみました。だって、それが僕の率直な考えだったのです。もし自分が日本のクライアントだったら、わざわざ海外まで行って、日本人が撮影してるんだったら、東京でやればいいじゃん、って思っちゃうんですが。

それに対する答えとしては、そうは言っても、言葉の通じるスタッフの存在は大きいとのことです。まず、日本のクライアントから送られてきた資料を、そのまま読めること。わざわざ翻訳する手間が省けるだけで全然違うんですって。そして、いざ撮影現場でクライアントさんが何か言いたい時に、僕がモニタの横にいれば、さっと対応できる、これも大きいみたいです。

なるほど、海外っぽさが欲しいとは言っても、結局撮影がきちんと進まないことには仕事にならないよ、ってゆうことなのですね。

美術費を経験からさっと見積もる

そのあと、予算の話になりました。もう半年前のことなので、赤裸々に書いてみますね。ぶっちゃけ美術費は$3000ドルしかないと言われました。ムムム。僕が東京でやっていた経験から考えたら、2ロケーションでかなりの範囲の装飾です。最低$10,000はかかるんじゃないですか、というお話をしました。美術をいれて撮影をするのが初めてなので、相場がわからなくて、、、とプロデューサーさんはおっしゃってました。

美術費の計算をする時に大事なのは、小道具以外の出費を考えることです。「装飾費=小道具の量」なのですが、例えば、装飾品が2倍になれば、それを運ぶトラックも2倍になります。さらに、装飾品が2倍になると、単純に、それを現場で飾るのに2倍のスタッフが必要になってくるのです。

今回の場合は、まず自分のギャラを$1,500と設定しました。まだLAに来て間もないので、遠慮気味な金額ですね。これは自分で決めます。

次に装飾費を考えます。2ロケーションで、それぞれが広い範囲だったので、単純に1ロケーション$2,500くらいの物量かな、と判断しました。これは数をこなしていれば経験則で計算できるようになります。そうすると既に残り$3,500になります。それに、必要になるトラックを2トン2台、ピックアップとリターンの日程も含めると(この時点では、当日飾り設定で、前日飾りは考えていませんでした)3日で、$1,800(ドライバー二人の3日間拘束も含めて)。5人の装飾スタッフがいたとして一人$300 x 5人で$1500。

総額は既に$9,800です。これに加えて、じゃあ、トラックのガソリン代とかも考えないといけないし、特殊な小道具の造形とかが加わると、また金額はふくらみます。こういう会話は、日本でのプロダクションとの相談と一緒ですね。円がドルに変わっただけです。ちなみに、ハリウッドでプロの装飾さんを1日$300のギャラで雇うことはできません。相場としてはみんな$600からです。$300/dayで雇えるのは、まだまだ駆け出しの、フィルムスクール卒業したて、くらいのクルーです。それか、あまり英語が話せないメキシコ人のガテン系ワーカーか。

ムムム、金額の差が大きすぎます、、、。

ま、結局のところロケーション次第ですね

その日はそんな話をして、「ま、結局のところロケーションを見てみてですね」というところで落ち着きました。ちょうど次の日にロケハンの予定があったので、次の日に合流する話をして解散しました。

LAに来てちょうど1か月で、まともな撮影のデザインができるとなって、テンションあがりました。セットはないですが、ま、最初はこのくらいからのスタートでいいだろう、と思いました。この後、この企画は面白い展開をみせて、最終的にはでかいセットを組むことになります。最初に$3000で、、、と言われていた予算も、めちゃくちゃにぶっちぎってしまいました。その話は、またその時の日付の日記で書きますね。

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