Rhinoのパワーに驚きつつの考察

最近3Dプリンタを使う仕事が多かったので、必要にかられてRhinocerosを導入してみました。使いやすさ最高!こりゃ、完全にSketchUpと入れ替わるな。7年間使い続けてきたSketchUpよ、さようなら、って感じです。RhinoとSketchUpを比べたときに、圧倒的にRhinoの勝ちです。その一番の理由が

RhinoとSketchUpの決定的な差

  1. カーブをきちんとカーブとして扱える点。
  2. BlendSrfなどの自由曲面の補間のしやすさ
  3. レンダリングのクオリティと、照明の配置のしやすさ

の3つでしょうか。

まず一つ目の、カーブ。SketchUpはカーブをどうしても直線の集まりでしか表現できないので、レンダリングの時に円が円にならないという致命的な欠陥がありました。曲線を使ったパーツの図面を引くときや、CNCにデータを送る時は、そもそも機能しません。

次に、線と線をスムーズにつなげてくれたり、面と面をスムーズにつなげてくれる機能。これはSketchUpにはないので、決定的な差ですね。

最後に、レンダリングクオリティの高さ!僕はSketchUpプラグインのPodiumやKeyshot、カキーシャといったプラグインを使ったことがありましたが、結局はどれも外付けのプラグインでしかなく、照明の配置とか、手間がかかっていたのです。RhinoではRhino rendererしかまだ使ってませんが、それでも十分なクオリティ出してくれるし、何よりも、照明の配置が早い!明るさのコントロールや、マテリアルの調整も、デフォルトのウィンドウの中で調節できるので、作業が断然早いのです!

モデリング自体は、SketchUpの方が早いかもしれません。細かいオプションが豊富な分、同じモデルを作るのにかかるクリックの数が、必然的に多くなってしまいます。でも複雑なモデルを作りはじめたら、とにかくSketchUpにはそもそも無い機能がどんどん使えるので、Rhinoの方が早くなるでしょう。面取り作業も早いし、何より、レンダーメッシュで面取りを「仮で」表現してくれるのが、後から修正できて最高です。ブーリアン演算も、はるかに信頼できます。

モノを選択する前にコマンドで動作を指定してから、オブジェクトを指定する順番も(Rhinoではどっちでもいいですが)、AutoCADに慣れている身としては親しみがわきます。この順番の方が、余計なオブジェクトを間違って選択する心配がないので、楽なのです。

Rhinoだけでは不十分である

tablelamp3そんなこんなで、Rhino万歳!と作業を進めていて、左のようなCGを作ってみました。Environmentマッピングかっちょえー、とか思って調子に乗っていたのですが、つまづきました。氷が作れません。

こんな氷じゃ話にならん!ということで、ここでいきなり氷だけZBrushでモデリング開始です。ここがRhinoの弱点ですね。自由曲面もかなり上手く扱えますが、有機的な局面になると、どうにもこうにも機能してくれません。固いものなら何でも作れるけど、柔らかいものや、溶けるものにはめっぽう弱い感じです。

ZBrushであれば、氷のひとつやふたつ、3分もかからずにモデルできてしまいます。それをOBJでRhinoに私て、氷のテクスチャを与えて完成です。水面とグラスの触れる部分に表面張力的な表現で、RhinoでFilletを加えてみましたが、これもまあまあ見れるクオリティで表現してくれます。でもZBrushで進めてたら、氷と水と触れている部分の表面張力も、簡単に表現できるのになー。と思います。水面だけ全部ZBrushで作ってやろうかとも思いましたが、まあ、今回は、そこまでしなくてもいいだろう、ということにしました。将来的には、必要に応じて、ZBrushとRhinoを行き来する必要が、多々ありそうです。どちらも優れたソフトなのですが、モデリングに対するアプローチがまったく違うので。

tablelamp5グラスに入った液体を表現するときの注意点がひとつあります。グラスの表面と水の外面を、ブーリアンカットでぴったりあわせると、レンダリングの時にうまくいきません。同じ場所にある二つの面で、屈折や反射が同時に起こるので、なんか、ザラザラした感じの出力になってしまいます。右のレンダリングでは、水の方を少し大きくして、グラスと交わってるようにしています。

Photoshopでフォーカスブラーも加えました。ZBrushもRhinoもそうですが、レンダリングと同時にDepthのマスクを作ってくれるのでありがたいですね。今回の出力では、ランプの頭部分にフォーカスがきてますが、photoshopでDepthマスクのレベルを補正したり、手前部分を反転させて、とかすれば、フォーカスを好きなところに設定できます。

 

結局AutoCADにも頼らざるを得ない点

とまあ、レンダリングやモデリングに関しては、物凄い機能を発揮してくれるRhinoですが、Drafting機能は、AutoCADに軍配ですね。モデリングから図面まで、全部Rhinoで完結させるのは難しいと思います。AutoCADがRhinoに勝っている点としては、

  1. 同じ図面を引くのに、Rhinoの方がクリック数が多くなる。
  2. OsnapとSmartTrackの挙動が、AutoCADの方が、ちょっとだけ賢い
  3. 線ごとにレイヤーを分けて太さや色を変えられる。
  4. 動作が早い

といったところでしょうか。特に3は、オブジェクトごとに線の太さを変えるのではなく、例えば、PLAN VIEWの時に、セットのパネルの、化粧されてる面だけ太線で表現したい時などに差が出ます。Rhinoでレイヤー分けして線の太さを変えると、パネルの化粧面と骨とで、別のPolySurfaceになって、不便になるのです。

あと、4も大きな差ですね。僕のPC環境が原因かもしれませんが、Lineを1本引くにしても、AutoCADの方がクリックに対する反応が、若干早いです。ごく僅かな差ですが、最終的には作業時間が大きく違ってくると思います。