SketchUp > ZBrush > Rhino > IGES出力のワークフローの覚え書き

最近かかわった仕事で、3Dプリンタを駆使する仕事が多く、IGES(IGS)やSTLファイルをこなす機会が多くありました。その時のワークフローを、自分で忘れないためにも、反省点なども織り交ぜつつ書き残しておきます。「イラレ> AUTOCAD> SKETCHUP> ZBRUSH> フォトショのワークフローのメモ書き」の時にも書きましたが、僕のモットーとしては、ソフトをひとつに絞るよりも、各作業を一番効率よくできるソフトをいろいろ使っていったほうが、結果として早い。なので、今回もいろんなソフトを経由することになりました。

drill_polished_rendering2これは、最終的に出したファイルのレンダリングです。作らんとしていたのは、こういう感じのドリル。こでは映像のためのデザインではなく、工業デザインで、これを中国のかいしゃに発注して、全部プラスチックで作るらしいです。そのための原型を、3Dプリンタで作る必要があり、最終的にはIGSファイルが欲しいと言われました。中国にそのファイルを送ると、どのくらいのプラスチックが必要か計算してくれて、製造にかかる単価がわかるのだそうで、その見積もりを取るためのファイルでもありました。

最初に口頭でこういうものが作りたいと説明を受けた時に、僕のイメージで、SketchUpで描くのが早いな、と思いました。Rhinoは、ようやっと最近触り始めたソフトで、まだ慣れていなかったですし、Rhinoに慣れていても、SketchUpのソフトとしてのシンプルさは洗練されているとも思いますし。

予算をカットするために、体積を減らす努力

drillそう、SketchUpは、「まずはとりあえず形にしてみる」のがとても得意なソフトだと思います。ぼやーんとしかモデルのイメージがなくても、作業を開始できてしまう。30分くらい作業したら、右のようなレンダリングが出来上がります。この時は、まだ色や、詳細な指示が来ていなかったので、とりあえず、こんな形のものを作ろうとしているんですよね、というラフなものでした。

これに対して、やっぱりここはこう、ここはこう、といろいろ指示が来ました。ひとつ面白かったのは、コストの感覚が大きいこと。映像のセットや小道具をデザインしているとあまり考えないのですが、できるだけ軽く作りたい、というのがクライアントからの指示でした。体積を減らせば、その分単価が落ちるのです。落ちるといっても、1円以下のちいさな額のことなのですが、大量生産するとなると、その数グラムも大きな差を生むのだと思います。

drill_rendering2そして、自分なりに体積を減らす工夫をたくさんしてみて、できあがったのが下のモデルです。持ち手の外側の斜めのカットはBooleanプラグインを使っています。Booleanプラグインは、Solidオブジェクト同士でしか実行できない、というのがSketchUpの大きな弱点ですね。今回も、一か所だけBooleanカットして、それを回転コピーしています。

このレンダリングの前にモデルはOBJで出してZBrushに取り込んでいます。なのでこのレンダリングはZBrushのBPRです。上のPodiumレンダーの方が、きれいですね。Ambient Occlusion VS Radiosityという議題もありますが、僕の中では、15年前の初代Shadeの時からの馴染みで、Radiosityがwinですね。

SketchUpのIGS Exportプラグインは、頼りにならない

というのが、僕の感想です。SketchUpって、面の向きとか曖昧だし、線と線の交わりとか、面と面の交差とか、ちょっと弱い部分があるのは知っての通りで、そこからIGSやSTLを出そうとすると、時々モデルをSOLIDとして認識してくれなかったりするのです。上手く出力されていても、なんか、ちょっと不安が残るなーというのが、僕のイメージです。

なので、僕としてはZBrushに持って行って、一度Dynameshすると、少し不安が解消されます。というのが、今回ZBrushを経由した理由のひとつです。

もう一つは、手っ取り早くPolishしたかったという点です。

今回のパーツでいくと、Tになっている、交点の部分に、どうしても溶接したっぽい、というか、パテで溝を埋めた感じ、というのが欲しいと思ったのです。モノとしての高級感をちょっとでも出すために。あと、全体的に手に触れる部分は、磨いておきたかった、というのもあります。力をいれて握るものなので、ひっかかりもいるけれど、丸みも欲しいなと思いました。

SketchUpからOBJで出して、ZBrushに取り込み、ドリルの部分は別グループにしてGroup Splitします。すると継ぎ目の部分に穴が開きます。ZBrushの穴は怖いです。僕も幾度となく穴に困らされましたが、これは慣れればそこまで怖くなくなります。穴の開いた部分に新たなCircleをappendしてサイズと位置をぴったりあわせ(ここが手作業なのが、ZBrushの心もとないところでもありますが)、MergeしてからDynameshをかけると、今までは別パーツだった、縦と横のパーツもじわっとくっついてくれます。これで、Water tightなSOLIDができた実感が湧きます。

ZBruhだと溝埋めとPolishがめちゃくちゃ早い

溝の部分にパテ埋めするのは、Smooth Valleyであらかじめ埋めて置き、最後にPolishをほんの少し(1とか2とか)かけるだけで、きれいに丸くなってくれます。

ここで少し悩んだのが、ドリルの部分をDynameshするかどうかです。答えはNOです。刃の部分とかが、ギザギザになってしまいますし、それをあとで自分で手直しするのも面倒ですので。

さて、ZBrushではIGSファイル出せませんので、サイズをあわせてSTLで出します。

その後、RhinoのSTLを読み込み、全体的に問題ないなーと、さっくり確認して、IGES出力します。最終的に出来上がったのが、一番上のレンダリングです。レンダリング自体はZBrushで出しています。

ZBrushのBPRレンダリングの影って、デフォルトではすっごい固いんですよね、というか、影側の部分はまっ黒になりますよね。これは、Renderツールの中のBPR Shadowの、FStrength、GStrengthを1より低くすることで、ソフトにできます。影のぼかしっぷりなんかもここで設定しますが、ぼかすと、BPRレンダー時間が長くなります。

さて、ここまで書いて思ったのが、今回ZBrushでやったみたいな、Polishや、SmoothValleyみたいな機能が、Rhinoでできるのかどうか。できるとしたら、SketchUpからOBJ?DXF?で出して、RhinoでIGESまで一発でいけるんですけどね。できるんでしょうけど、まだあんまり詳しくないから、僕はまだできません。今回はこれでよかったと思います。ちょっとずつRhino勉強しようっと。

いろいろ試行錯誤したものの、トータルの作業時間は2時間です。もう一度やれといわれたら、30分かからないでしょう。

▼僕はWacomのINTUOUSを使っています。これがないと、仕事になりません。

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