扇子PV~進化するクリエイター~

「高級車のCMのような仕上がりにしようとしました。」

今井のこの言葉が、どのような製品をPRする映像についてのストーリーを語る中で出てきたか、おわかりになるだろうか。

レンタカー?家具?電化製品?

答えはどれも否だ。

この言葉は、扇子をPRする映像を今井が手掛けたそのインタビュー中に出てきた。

「なぜに扇子が高級車のイメージか?」という疑問はもっともだろう。

その問いかけにお答えしよう。

 

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今回、今井が制作した映像は、とあるブランドにおける最高級扇子のPRのため作られた。

そのブランドを運営する会社の社長と今井が顔見知りだったことが縁になり、ハイエンドモデルの扇子のPR映像を手掛けることになったのだが、今井にとって新たなチャレンジとなった。

「お話を頂いた段階で、実際の商品がまだ出来上がっていませんでした。先方と映像についての打ち合わせをしたとき、仮に商品が手元にあったとしても、商品の実物を直接撮影素材に使用する、いわゆる「物撮り」はできないでしょうと。『CGであればこれくらいのクオリティで作れるでしょう』とお伝えしたところゴーサインが出たので、今回はフルCGで映像を制作することにしました。」

映像の長さは20秒。

これだけを聞くと、すぐに作ることができたのだろうと判断しそうになるが、実際は80時間ほどかかっている。

商品の実物が直接撮影に使用できないと考えた理由を今井に訊くと、今井はこう答えてくれた。

「扇子を浮かせて撮るのは現実的ではありませんでしたし、例えば扇子が開くカットだったり、カメラが回ってくるかんじだったりが現物を使用しては絶対にできません。CGであればそういったことが可能になるのがそう考えた理由です。」
当初、今井が3Dモデルを作成し、それを知り合いのCGクリエイターにアニメーション化を頼んで作品を作り上げようと考えたのだが、この計画は頓挫する。

「3Dモデルを作り、知り合いに片っ端から声をかけましたが、皆に『それはできない』と言われてしまいました。私が作ったモデルがよくできていたからなのか、『すごいですね、これ、写真じゃないんですね』という反応で、このモデルをそのまま使ってアニメーションにしようと思うと、カメラの動きや照明の具合、レンダリングなどが非常に高度になるからというのが答えでした。」

そうであれば、自分が作るしかない。

筆者が思うに今井のクリエイターとしての凄さはここにある。

すぐにCGアニメーションを猛勉強し、ソフトを入れ、制作に取り掛かったのである。

映像を作るにあたって使ったテクニックとしては、大まかに言うと、まず「マスクを切る」と呼ばれるそれぞれのパーツの色分けをし、「マスクを切った」パーツごとの影やハイライトの調整などのレンダリングを行い、別々にレンダリングしたものを一つにまとめて合成し、最後に照明の具合などの微調整をする、というものだ。

全408コマで構成される約20秒の映像全ての1コマ1コマを手作りした。

もちろんブランドロゴが現れる最後の瞬間も。

ロゴが映るほんの一瞬のカットを作った行程を振り返る中で、冒頭の今井の言葉が出てくる。

今回、今井の携わったのは高級ブランドなので、ロゴが現れる瞬間にも高級感が求められ、それを表現するため参考にしたのが、高級車のCMなどで最後にブランドあるいはメーカーのロゴの映る一瞬であった。

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今井の非常に示唆に富んだメッセージを紹介して今回の記事を締めくくろう。

「今回の作品を作るために、Octaneというオーストラリアにあるメーカーのソフトを使用しました。作業中にバグを発見したため、すぐに開発チームにコンタクトを取ったところ、すぐに対応してくれました。こういったことは珍しくはなく、ソフトは日々アップデートされています。海外のメーカーとやりとりする際に、日本語ではどうしても追いつかないので、改めて英語ができることの大切さを認識しました。

また、これからの時代は単にソフトの使い方を覚えるだけではなく、アップデートで改良されていく情報に知識を上書きすることの重要性を感じました。」

今井のこのメッセージはソフトについて言及したものであるが、今回、「アニメーションをごく短期間の中で勉強し、触ったことのなかったソフトを使って映像を作る」という経験を通じて今井自身も「アップデート」されたのであろう。

 

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最後に、参考としていくつかURLをご紹介したいと思う。

Rhinoceros 3D

Bongo for Rhino Plugin

Octane render

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