Hannah、Miltonとの出会い

先日からぶつくさ文句ばかり書いているAFIの学生映画の続きです。ほかの作品はともかく、ぼくがデザイナーとして参加している作品はわりとやってて楽しかったです。サイクルフィルムだということで、たいした予算もないので、僕も特にたいしたことはできないので、予算内でできることをやろう、といったスタンスで無理せずできていたからでしょう。ほかのチームのFelipeやMollyなんかを見ていると、予算に見合わないものを作ろうとして苦労していたので。今回のサイクルフィルム、タイトルをWake Upといいましたが、小道具にさける予算(Budget)は300から500ドルくらいなのよ、と聞いたときに、心の中で「そりゃ”Budget”じゃねえよ」とつっこみながらも、お金かけない作戦でいこうと決心したのです。

日本にいた時は、まったくお金かけなくても、自分の事務所にたくさんの小道具や工具がそろっていたので、何とでもやりようがあったのですが、こっちに来てまだ2週間ではまったくそういったリソースもありません。テープなんかの消耗品も買わないといけないし(日本だと事務所経費にできたけど)、小道具をいれるプラケース(ぼて)やら脚立なんかもないので、この予算だと、ナシで頑張るしかありません。もちろん車両もなし。そして一番重要な小道具も、何も持っていかないことしかできません。でもそれだと仕事にならないので、クルーのみんなが自前の家具やら装飾を持ち寄って、それを現場でアレンジするのが、仕事だな、と考えました。

唯一、小道具をレンタルできるとすれば、Universal Props。Universalは、14年前も何度も訪れたことがあり、もともとのレンタルの値段が安く、さらに学生映画には50%オフのディスカウントをくれるので、とても心強い味方なのです。プラス、この作品で重要になる部分で、インコの死骸が登場するのですが、この部分は鳥の剥製をレンタルする必要があります。この剥製レンタルは、あらかじめこの記事で書いたようにあたりをつけていたので、最初のスタッフ打ち合わせの時には、ある程度の資料を用意できていました。バーバンクにあるBischoff’s Taxidermyというレンタル屋さんです。l

あとお金をかけられないといえば、スタッフはどうしたのか、という点です。僕はまだ来て2週間で、知り合いもいないし、スタッフ集めるのは手伝ってね、とあらかじめプロデューサーに相談していました。というか、そうでないとできないよ、という条件で引き受けた仕事でした。そこで紹介されたのはHannahとMiltonの二人。Hannahは、どこか内陸のほうの州でFilmメジャーの学生で、半年だけ経験を積むためにLAに来てどこかのプロダクションでインターンをしていました。実はCinematographyに興味があり、卒業後はLAに来てDPを目指すとのことでした。Miltonも、USCのビジネス科を卒業したのですがFilmがやりたくて小さなプロダクションでインターンをしていて、Producingに興味があるとのことでした。要は、どちらもArt Departmentになりたいわけではなかったのです。偶然、同じプロデューサーの過去の作品に、経験を積むために同じくMandy.comから検索して参加したことがあったらしいです。

多少の経験になる、という点を除いては、二人にとってこの作品に参加するメリットはあまりないな、と思いました。僕の考えた作戦は、ギャラも払えないのだから、二人の作業時間を最低限にすることです。気を張り過ぎずにやって、楽しくやろうと、思いました。そのくらいの気合でやっても、クオリティは高いものができるという自信も、10年近くプロとしてやってれば、ちゃんとありましたし。

結果を先に書いてしまうと、HannahもMiltonもとても気楽に、僕の考えをくんでくれて、必要なことはきちんとやる、でも無理はしない、でもちょっとくらいの無理は承知だよ、くらいのスタンスで、よく協力してくれました。Hannahは撮影後すぐに故郷に帰ってしまいましたが、Miltonは、「Artに興味はないけど、Tomoの撮影だったら喜んで手伝うよ!」と言ってくれたのでよかったです。実際はそのMiltonは本業のPAの方が忙しくなったので、撮影には誘っても参加できませんでしたが、代わりに別の子を紹介してくれて、そのスタッフは何度か何度か僕のデザインする作品に助っ人で来てくれる、強力な味方になりました。

AFIの学生映画はぼろくそに書いていますが、そこで知り合ったAFIの学生以外のスタッフとは、とても仲良くなり、今でも協力しあえるチームになっているということです。ぼくが、他人にfilm schoolをおすすめしない理由は、こういうところにあります。

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